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気づいたら、走るのに夢中

ランニング2年生のブログ

読んだ本について②  

著者はいわずと知れた人気作家の村上春樹氏。

2000年開催のシドニーオリンピックを、期間中現地に滞在した同氏が日記風にまとめたエッセイです。 

シドニー!

シドニー!

 

競技の観戦記でもありますがそれだけではなく、村上さんが訪れた観光スポット、食事やゲームや現地の文化、事件、差別といったことを合間にちりばめ、ユーモアたっぷりで面白おかしく、またオリンピックという巨大商業イベントへのささやかな疑問や批判も書き連ねてあります。

 

聖火を「ただの炎」といい、「やたら長くて退屈な」 開会式を飽きて帰ってしまう村上さん。

しかし、ご自身も市民ランナーであるからでしょう、マラソンに関する観戦記はページ数から言っても熱のこもったものを感じますし、その観察力は鋭くて具体的。

高橋尚子さんが優勝するところはもちろん、女子400m決勝を制したキャシー・フリーマンのゴールシーンは必見です。

作品では敗者にもスポットをあてており、冒頭はアトランタを走る有森裕子さんの心象風景が一人称で書かれた「短編小説」となっていますがこちらがまた!またまた!秀逸なんです。

コアラの抱えるストレス、ワラビーの生態(さらっと書かれていますが、よくよく調べられています)オーストラリアという国家の歴史や国土の広大さなど、村上さん目線のオーストラリア紀行としても楽しい1冊です。